転職では自己分析が大事って聞いたけど、具体的にどうやるの?
30代の転職で今さら自己分析っているの?
ここでは転職を成功させる為の自己分析の具体的なやり方を解説します。
転職を成功させるため自己分析は欠かせません。
自己分析をしっかり行うことで自分の強みや希望が整理され、自分に合った企業を見つけることができます。転職した後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐためにも時間をとって取り組む必要があります。
ただ自己分析は決まったやり方もなく、迷子になりやすいのも事実です。
効果的な自己分析を行うには正しい視点や方法が必要です。
ここでは39歳未経験転職で年収UPに成功した筆者が「30代転職のための自己分析の方法」をワークシートを使って具体的に解説します。
是非参考にして転職を成功させて下さい。
転職成功のために自己分析が必要な3つの理由
自己分析はやみくもにやっても成果があがりません。
はじめに、何のために自己分析をするのかを整理する為、自己分析が必要な理由を3つ説明します。
1. 自己PRをつくるため
転職で自己分析が必要な一番の理由は、内定をとるためです。
内定をとるためには自分の強みやスキルを企業に響くようにアピールする必要があります。
限られた時間の中で企業に自分を効果的にアピールするには、これまでのキャリアの棚卸しを行い自分の強みの整理をしておくことが有効です。
商品を販売する時にその商品の特徴やメリットデメリットを勉強するのと同じように自分の売り込むポイントを自己分析で明確にします。
2. 転職の軸を定めるため
転職で自己分析が必要な2つ目の理由は、自分の希望にあった企業を見極めるためです。
転職の成功は内定をとることではありません。転職することで自分の理想のキャリアを実現すること(もしくは近づくこと)がゴールです。
そのためには自分が転職することで何を実現したいのか、転職の軸を定めることが重要です。
自己分析によって、自分の理想の働き方、希望の優先順位づけを行うことが転職の成功に繋がります。
3. そもそも転職すべきかを考えるため
自己分析をすすめていくと、そもそも本当に転職をすべきなのかも明確になります。
自分の理想的な働き方を実現する方法は転職だけではありません。自分の希望を叶える方法論を模索するのにも自己分析は有効です。
ただ、一つ付け加えると転職をするか迷っていても「転職活動」をすることはおすすめします。
転職活動をすることにより自分の市場価値の確認、新しい選択肢の獲得、業界の動向などがわかり非常に有益だからです。終身雇用も崩壊していますので、逆に転職活動を全くしないという方が今後はリスクになってきます。
実は自己分析には大きく2種類あります。
1. 人生に関する自己分析
人生全体を考え、今後どう生きたらよいかを決めるために行う
2. キャリアに関する自己分析
仕事の軸や転職を成功させるために行う
たまに自己分析で迷子になってしまうのはキャリアの自己分析をしていたのに、いつのまにか範囲が広がり過ぎて収集がつかなくなってしまうケースです。転職に必要なのはあくまでキャリアに関する自己分析です。
人生に関する自己分析に興味ある方は「人生に効く!社会人向けの効果的な自己分析のやり方」を参照ください。
それでは、ここから自己分析の具体的な方法をみていきましょう。
自己分析のやり方の流れ
自己分析は大きく3つのステップがあります。
「Will:転職の軸」「Can:自己PR」「 Be:自己特性」
「Will :転職の軸」では、今回の転職で何を実現させたいのかを整理し転職の軸を明確にします。
「Can:自己PR」では、自分に何ができるのか、これまでの経験を棚卸ししていきます。
「Be:自己特性」では自分の性格や価値観などを考えた上でどんな職務環境が合っているかを模索します。
最終的には下の例のように整理できます。内容はそのまま職務経歴書や面接で活用できます。
・Will 転職の軸:
①ワークバランスを得たい ②成長業界で稼ぎたい(給与は下げない)③フラットな組織で働きたい
・Can 自己PR:
できることは法人営業、強みは試行力と粘り強さ、これまでの営業実績と既存顧客との関係強化エピソード、新規顧客開拓年5件をアピール
・Be: 自己特性:
「自由」がキーワード、干渉がつよそうな上司や社風はさける。フレックス出社や有給の取得状況を確認、できるだけ多くの人に会う。
転職を成功させる自己分析のやり方3つのステップ
それでは各ステップにとりかかりましょう。
自己分析に使うワークシートを用意してますので活用ください。
ワークシートはタブでわかれており、今回はWill, Can, Beの3つのワークシートを使います。
ステップ1:Will 「転職の軸」転職で何を実現したいのか
ステップ1では転職で何を実現したいのか、転職の軸を確認します。
まずはなぜ転職をしようかと考えたのか、その理由を書き出してみてください。
「残業が多いので改善したい」「もっと年収をあげたい」「もっとやりがいを感じる仕事をしたい」などなど様々な要因があると思います。
現状の不満といった側面からでもいいですし、自分にとっての理想の働き方を思い描く格好でもかまいません。この時点ではどれか一つに絞る必要はないので、思いつく点をすべて挙げてみてください。
次にワークシートの「転職の軸の要素例」の表を参照ください。
転職の軸の要素となる内容が仕事内容、社風、収入、働き方などのカテゴリー別に並んでいます。
自分が気になる要素は残して、興味のない要素は削除してください。
削除できたら、最初に書いた自分の転職したい理由をカテゴリーにわけて記入してください。
記入が終わったら優先順位をつけてみましょう。
優先順位トップ3があなたの転職の軸となります。
同時に最下位の3〜5要素も確認しておきましょう、これらはあなたが最悪妥協できるポイントです。もし妥協できそうにないのであれば順位を考え直しましょう。
何もかもがパーフェクトな転職はありませんので、叶えたいポイントとともに叶わなくてもよいポイントも意識しておきましょう。
ステップ2:Can「自己PR」何ができるのか
ステップ2では自分に何ができるのかを企業にアピールするため、自分のできること、強みを深掘りします。
まずは過去の印象にのこっている仕事を振り返ってください。
その中で企業にアピールしたい仕事、困難を乗り越えた経験、自分らしさを発揮できた仕事を少なくとも3つできるだけ詳しく書いてください。具体的にどんな仕事だったのか、どんな工夫をしたのか、どんなところが難しかったのかなどを記入します。
仕事体験が書けたら、その仕事で発揮された自分のスキルや強みを考えてみて思いつくものキーワードを記載ください。
記入例にそって説明すると
アピールしたい仕事はA商品の売上、利益改善。
このために必要だったスキルは法人営業とプレゼンテーションスキル。
自分の試行力やコミュニケーション能力を発揮できすることで成果につながった。
とりなります。
基本的には成果がでた仕事を振り返りますが、大失敗した経験もその後の成長に寄与している場合はエピソードとして書き示しておきましょう。
過去の仕事の振り返りと強み、スキルの記載ができたらワークシートのポータブルスキルを参照ください。
代表的なポータブルスキルが並んでいますので、この中から自分に合ったスキルを3つ選んでみてください。
対人力 | 対課題力 | 対自分力 | 総合スキル |
傾聴力 | 試行力 | 決断力 | マネジメント能力 |
受容力 | 変革力 | 曖昧力 | コミュニケーション能力 |
主張力 | 機動力 | 瞬発力 | 営業力 |
否定力 | 発想力 | 冒険力 | マーケティング力 |
説得力 | 計画力 | 忍耐力 | プロジェクトマネジメント力 |
統率力 | 推進力 | 規律力 | 論理思考力 |
支援力 | 遂行力 | 持続力 | 問題解決能力 |
協調力 | 分析力 | 慎重力 | 組織革新力 |
調整力 | 情報収集力 | 発想力 | イノベーション力 |
3つ選べたらそれらのスキルが発揮された場面を書いてみてください。先ほど仕事の振り返りで書いたエピソードと同じでもかまいません。
すべて書けたら再度自分の強みやスキルを俯瞰してその中でも得に企業にアピールしたい強みやスキルをまとめておきましょう。
「自分の強みは試行力とコミュニケーション能力。商品Aの売上改善プロジェクトでは関連部署やお客様とのコミュニケーションをとりながら商品開発、ビジネスモデルの提案など多角的な試作を試しながら前に進め結果的に新規顧客4社の契約をしていただいた。」
「法人営業は10年以上の経験があり、プレゼンテーションも20名規模のプレゼンを数多くこなしてきた。効果的なプレゼン資料の作成方法や伝える技術を習得している」
上の例のような感じで、強みやスキル→具体的な実績やエピソードの順で説明できるように解像度をあげておきましょう。
この内容はそのまま面接や職務経歴書につかうことができますので、何度か読み直して納得感があるかも確認しておきましょう。
ステップ3:Be 「自己特性」 どんな環境が合うか
自己分析の最後のステップは自己特性を理解して、自分にどんな環境が合うかを確認しておきます。
まずはワークシートの価値観・環境キーワードを選んでみてください。
仕事タイプの中から3つ、行動タイプからも3つ、その他から1、2つ選ぶのがおすすめです。
キーワードが選べたらいくつか性格診断ツールで診断を受けてみましょう。
代表的なものを4つご紹介します。詳しくは「【転職に使える】信頼度の高い自己分析ツールおすすめ8選!無料あり」を参照ください。
診断でわかること | 適職 | 適職 | 強み | 人格特性 |
費用 | 無料 | 無料 | 約2,000円 | 無料 |
会員登録 | 必要 | 必要 | 必要 | 不要 |
設問数 | 202問 | 90問 | 177問 | 60問 |
所要時間 | 約35分 | 約15分 | 約30分 | 約10分 |
公式サイトのリンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
性格診断ができたら、その中ででてきたキーワードに特に当たっているものを3つほど書き出してください。
書き出せたら、初めに価値観・環境キーワードで選んだキーワードと性格診断でみつけたキーワードの中から特に重要なキーワードを3つ選んで、「自己特性にあった企業選びをする」の箇所に記載して下さい。
そして隣の欄に選んだ価値観や性格にあった転職をするために企業選びの際にどんな注意をすべきかを書いて書いてください。
自分の性格や価値観に合った企業で働けると、無理なく、ありのままで働けて結果的にパフォーマンスも出やすいです。
企業選びの際には自分の転職の軸とあっているかと同時に性格にあっているかを意識しましょう。
自己分析のゴールと使い方
最後に自己分析のゴールと使い方を下記にまとめます。
例は簡潔にまとめていますが、実際はもっと具体的に肉付けをしてまとめることをおすすめします。
自分の転職の軸が明確 → 自分の希望にあった企業選びに使える
例:①ワークバランスを得たい ②成長業界で稼ぎたい(給与は下げない)
自分の強みをPRできる → 職務経歴書や面接での自己PRに使える
例:強みは試行力と粘り強さ、これまでの営業実績と既存顧客との関係強化エピソード、新規顧客開拓年5件をアピール
自己特性を知る → 自分に合った企業選びに使える
例:「自由」が最大のキーワード、干渉がつよそうな上司や社風はさける。フレックス出社や有給の取得状況を確認、できるだけ多くの人に会う。
自己分析ができたら企業分析
転職成功のためには自己分析と共に企業側の研究も必要です。
自分の転職の軸に沿った、自分の特性に合った企業をどのようにみつければよいのか。
自己PRをどのように伝えれば企業に刺さるのか。
自分視点だけでなく企業側の視点を持つことが転職成功の鍵です。
自己分析ほどの深さは不要ですが、企業側のWill, Can,Beも考えて自己分析の結果とマッチングをしてみましょう。
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