退職を切り出すの不安、どういう手順で進めたらいいのかな?
引き留めにあったらどうしよう、、
退職を伝える退職交渉は一見シンプルですが、実際は退職をなかなか受け入れてもらえなかったり、企業側の引き留めや条件交渉があるなど難航する可能性があります。
そのため退職を切り出すのに不安に思う方も多いと思いますが、ポイントを押さえて準備をすれば退職交渉をスムーズにすすめて円満退職することができます。
ここではスムーズに円満退職を実現するための、退職交渉の進め方や具体的な伝え方のポイントを解説します。
私は実際に、上司や経営層など合計5名6回以上の面談を要する強い引き留めにあいましたが、今回ご紹介する流れとポイントを実践することですべての方に納得いただき最後には背中を押していただき円満退社することができました。
円満退職ができると次の会社でも気持ちよくスタートを切れますので是非参考にしてみてください。
退職交渉の進め方
希望退職日を決める(就業規則の確認と引き継ぎを考慮)
退職の意思を決めたら、まず希望退職日を決めましょう。
退職日は下記3点を考慮して設定します。
- 転職先企業と話している入社時期
- 今の会社の就業規則
- 引き継ぎ期間
まずは、すでに転職先企業と話している大まかな入社時期を目指して退職日を設定していきます。
その上で考慮したいのが就業規則と引き継ぎ期間です。
就業規則については、通常「退職予定日の○日前までに退職届けを提出すること」などと規定がありますのでこの規定に添った退職希望日になっているか確認しましょう。
民法では「退職の14日前までに申出」となっているので法律的には最悪2週間前に伝えればよいのですが、会社規定では1~2ヶ月ほどとなっているケースが多いです。雇用契約を結んでいる以上就業規則は無視できませんので注意しましょう。
引き継ぎ期間については、自分の業務を棚卸して大体の引き継ぎのプランニングをしましょう。
通常2~3週間ほどで引き継ぎは可能です。
仮に重要プロジェクトを抱えていると「このプロジェクトが終わるまでは残ってくれ」などと打診される可能性もありますが、難しい場合は先回りして引き継ぎの対応を考えておきましょう。
会社規定にもよりますが、退職希望日は申し出から1ヶ月〜1.5ヶ月くらいがおすすめです。
あまり短いと引き継ぎが難しく、長すぎると退職すると知られている中で働く気まずさがあります。ドタバタと引き継ぎを行なって「もう少し時間が必要かも」くらいがちょうどよいと感じます。
退職願を書く
退職希望日を定めたら、退職願を準備しましょう。
会社によっては不要な場合もありますが、最悪もめることも考え意思表示の証拠として提出しておく方が安全です。
退職願とは退職届の前にだす書類で退職の意思と希望日を伝えるものです。
プロセスは会社によっても異なりますが「退職願を提出→会社側で承諾、退職日確定→退職届を提出」となるケースが多いです。
退職願は下記のような格好で作成します。
会社によっては「一身上の都合でなく、転職理由を書くこ」とといった規定がある場合もありますが、「別業界にチャレンジしたい為」や「家庭の都合で」などシンプルな記載で大丈夫です。
アポをとって上司へ退職を伝える
退職希望日を決めて退職願を準備したら上司にアポをとって退職の意思を伝えましょう。
「課長、折り入ってご相談があるのですが、本日の午後O時から30分ほどお時間いただけますか?」と少し改まった感じでアポをとっておくとよいでしょう。面談自体はできる限り対面で会議室をとるなどして2人きりの時間を作ることが重要です。
仮に上司との関係が悪くとも、上司の上司の人や人事に申し出ると余計に揉める原因となりますので退職の連絡はまず上司にいれましょう。
無事アポがとれたら、面談で退職の旨を伝え退職願を提出します。
退職の具体的な伝え方は退職交渉の一連の流れを解説した後にお伝えします。
面談の最後は通常は「わかった、とりあえず預かって部長とも相談する」などとなるケースが多いです。
もし「もう一度考え直せ」と突き返されそうになった場合は怯まずに「いえ、すでに考え尽くした結果決めたことですので」と意思をしっかりと伝えましょう。ここで一度持ち帰るのは時間のロス以外の何者でもありません。
上司に進捗のフォローアップをする
退職について伝えて数日間待って何の音沙汰もない場合は上司に進捗を確認しましょう。
上司も忙しいと後回しになるケースもあり、退職交渉は主体的に動かないとズルズルと時間がかかる場合があります。速やかに引き継ぎ業務に移れるよう退職の合意と退職日が確定するまで進捗は確認しましょう。
「課長、先日お話しした件すでに部長にはお話しいただいていますでしょうか?部長にもお世話になりましたので私からも直接お話しさせて頂ければと思いますがいかがでしょうか?」
といった感じでフォローしていきましょう。
退職交渉の進捗を転職先企業に伝える
退職交渉の進捗に関しては転職エージェントを介して転職企業に伝えておきましょう。
退職交渉では揉めることもありますので、転職先企業も状況を気にしています。
特に交渉や引き継ぎに当初予定より時間がかかりそうな場合は早めに転職先企業に状況を伝えておくことが重要です。
転職先と面接で話していた入社日で入社するのが基本ですが、後味の悪い辞め方をすると割と尾を引きますので気持ちよく退社できるのに日程調整が多少必要な場合は転職先との交渉も視野にいれましょう。
退職日が確定したら退職届を提出、引き継ぎへ
上司やその上司などとの退職交渉がとりまとまったら、退職届を提出します。
人事にも連絡を入れてその他退職に関する事務手続きについて確認しましょう。
転職後も必要書類のやり取りがでてくるので人事担当とはコミュニケーションよくしておきましょう。退職の手続きを進めながら引き継ぎを行います。
部署の方に退職の旨を伝えて、引き継ぎを開始します。取引先とのアポどりなど相手方の予定がからむ要件から優先的に引き継ぎをしていくのことをおすすめします。自分が抜けても業務が滞らないよう必要情報をまとめておきましょう。
- 業務内容のリスト化し後任者を確認
- 各業務の進め方、注意点、進捗などの明記
- 顧客担当者の連絡先の共有
- 顧客担当者への挨拶回り
退職の伝え方5つのポイント
退職交渉をできるだけスムーズに円満に進める為の伝え方には5つのポイントがあります。
- 主体的に進める
- 相談でなく報告
- 引き留めにくい退職理由を伝える
- 転職先企業は明かさない
- 退職日と最終出社日を明確に
主体的に進める
退職交渉は主体的に進めることが重要です。
あたなが退職することは今の会社にとっては不都合ですので放っておかれて、うまく進まないケースもあります。相手の行動を待つのではなく、積極的に追いかけてください。
こちらが主体的に動くことで相手にも本気度が伝わり交渉がスピーディーに進めることができます。
退職交渉、退職日の決定、引き継ぎのスケジューリングなどどんどん主体的に進めていきましょう。
相談でなく報告
退職交渉で一番大事なのは「相談ではなく、報告である」というスタンスをしっかりととることです。
これまでの感謝は伝えながらも、曖昧な表現は避けすでに意思が固まっていることを伝えましょう。
次の転職先が決まっていることも伝えることも意思が確定していることを伝える方法です。
「大変申し訳ないのですが、退職させていただきたいと思っています。
実はすでに次の企業も決まっており勝手ながら2月末を考えております。」
引き留めにくい退職理由を伝える
退職理由は必ず聞かれます。
文面上は「一身上の都合」で片付きますが、上司への説明は納得感を得られることが重要です。
ポイントは引き留めにくい退職理由を伝えて、残留の可能性がないことを明白にすることです。
退職理由を伝える目的は「それなら仕方がない」と納得してもらい、誰も傷つけずにスムーズに退職することです。あなたの本当の退職理由を事細かに説明する必要はありません。引き留めにくい理由を完結に伝えましょう。
避けたいのはネガティブな理由や今の会社でも叶うような理由です。
例えば「給与」「待遇」「人間関係」「職種」などを退職理由にすると給与アップ、昇進、部署移動などの打診をされて自分自身もゆらぐ可能性があります。またうまく説明できずに納得感が得られず「本当は何が嫌なんだよ?」などとこじれるケースもあります。
私も実際に当時の常務に「何でもやらせてあげるよ、何がやりたいの?」と言われ困った経験があります。
転職理由は不満ではなく、希望を伝えるのがおすすめです。
そして今の会社では絶対に叶えることができない希望を伝えるのがよいです。
例えば「業界」「会社規模」「外資」「代表」などがこれに当たります。
もしうまく断る転職理由が思いつかない場合は「家庭の都合」などとするのもありです。
とにかく「それだったら転職しなくてもうちでもできるんじゃない?」という引き留めに合わないような転職理由を用意しておきましょう。
納得感のある(表面上でもOK)退職理由は円満退職をする最大のポイントです。
「以前からOO業界に興味があり、ゼロベースからのビジネス立ち上げにチャンレンジしてみたく今回転職を決意しました。突然の連絡となり、OO課長にはとてもお世話になりましたので申し訳ない気持ちなのですが、応援していただけるとありがたいです」
「以前からベンチャー企業への憧れがあり、これからのキャリアを考える上でゼロベースからのビジネス立ち上げの経験に今チャレンジしないと後悔すると思い転職を決意しました。」
条件の打診が難しく、応援してくださいといっている人間にNoとは言いにくいです。
転職先企業は明かさない
転職先企業名は明かさない方がおすすめです。
「どこいくの?」と必ず聞かれますが、業界や業種の説明で留めておく方がよいでしょう。
具体的な企業名をだすと、例えば今の企業より給与水準が高い場合は周りからの嫉妬があるかもしれませんし、転職先が規模の小さい会社であれば「そんな小さな会社いつ潰れてもおかしくないよ、やめときな」などと自分軸とは異なる勝手な評価を聞かされることになる可能性があります。
業界が近いと転職先の人とつながっている場合もあり、「俺から先方にも話してみよう」などと面倒なことになる可能性もあります。
「OO系のメーカーですが、具体名は転職するまでは伏せさせて下さい。正式に入社しましたらまたご挨拶させてください」と言っておくと通常はそれ以上聞いてきません。
退職日と最終出社日を明確に
退職日と最終出社日は上司や上司の上司、人事側へ何度となく伝えコンセンサスをとっておきましょう。
有給消化を考えている場合は最初に上司に退職を伝える際に退職希望日と一緒に伝えておくのがおすすめです。
「3月末、具体的には3月29日を最終出社日として、できればその後1ヶ月有給消化させていただき4月末の退職させていただければと考えています」
と先に伝えておく方スムーズに進みます。
最終出社日を曖昧にしたまま交渉が続くと、引き継ぎなどを理由にずるずるといくケースがあります。これは結果的に今の会社にも転職先にも迷惑がかかってしまいますので、退職日と最終出社日はこちらから明確に設定しましょう。
退職交渉がうまく進まない場合の対処法
これまで説明してきたポイントを押さえて退職交渉を行えば比較的スムーズにすすめるはずですが、最後によくあるうまくいかないケースの対処法をご紹介します。
上司との関係が最悪で切り出せない
いつの時代も退職理由の本音ランキングは1位は上司です。
上司への不満は非常に多く、嫌いな上司にそもそも退職を切り出せないというケースも多いです。特にパワハラ系の上司の場合部下の退職は自分の評価にも関わるので退職を切り出すと何を言われるかわかりません。
もし上司への退職申し出がどうしても難しい場合は退職代行の使用も検討しましょう。
無理に嫌な思いをして交渉をする必要はありません。退職代行を逃げという人もいるかもしれませんが、全くそんなことはありません。
退職代行であれば即日から誰の顔も合わせることもなく退職ができます。
上司は嫌いだけど、他の人には挨拶したいということであれば、退職代行を使用する前提で秘密裏に挨拶してもOKです。
上司が話しを進めてくれない場合
退職交渉は主体的にフォローアップをしながら進めるべきですが、何度催促しても上司が退職の話しを進めてくれない場合もあります。
まずは「課長、退職の件部長にも自分からご説明したいのですが、」と伝えておいてそれでも全く動いてくれないようでしたら上司の上司へ直接相談をしてみましょう。
初めから上司を飛ばして会話するのは失礼にあたりますが、動いてくれない場合は致し方ありません。最終的に引き継ぎの時間が短くなるなど会社としても不利益を被るので会社のためにも上司の上司に伝えスピーディーに進めましょう。
上司の上司に働きかける時も「課長がお忙しそうで失礼とは思いましたが私も時間がありませんで、このような形となりすみません。」と切り出し課長への不満を口にするのは極力さけましょう。
退職交渉の際には誰も敵に回さないのが正解です。
強い引き留めに合う
退職の話しをするとこれまで厳しかったり、自分を評価していなかった上司が急にやさしくなって様々な引き留めの条件をだしてくることがあります。
上司はそこまでの権限はありませんが、経営層にまで交渉が及ぶと部署変更や給与アップ、待遇改善などが提示されるケースもあります。
このような条件が出てきた場合に自分自身もブレないように会社側が引き留めができない退職理由を用意しておくことが重要です。
退職交渉は丁寧に対応しながらも毅然とした態度で臨みましょう。
残留に心がゆらいだら
引き留めの際の好条件に心が揺らぐこともあると思います。
ただ基本的に一度退職するといったあとに残留するのはおすすめしません。
残留した瞬間は「ありがとう、また心機一転一緒にがんばっていこう!」などと喜んでくれるかもしれませんが、その後は一度退職をしようとした人間だというレッテルが貼られますし、周りにも知れ渡り働き辛くなります。
引き継ぎ先がない
退職交渉を進める中で引き継ぎ先がないという問題もよくある話しです。
交渉の際に「お前がいなくなったら誰がやるんだ」「余分な人間がいないからA君にもかなり負荷をかけるぞ」などと切り出されることもありますし、実際に引き継ぎをしようとした時に引き継げる人間がいないという場合もあります。
自分が転職することで一時的に回りに負荷がかかるのは事実ですが、この点はあまり気にしなくてよいです。退職者は必ずでますし、必要であれば求人をかけることもできます。よくも悪くもあなたがいなくなったからといって会社が止まることはありません。
実際の引き継ぎ者がいない場合は上司に引き継ぎましょう。引き継ぎ者を選定できないのはあなたのせいではなく上司のマネジメント能力不足です。最悪は引き継ぎ書類を上司に渡しましょう。
退職交渉は感謝を伝えながらも毅然と進めよう
ここまで円満退職のための退職交渉の進め方について紹介してきました。
最後にお伝えしたいのは退職交渉は退職するという決断を持って毅然とした態度で挑みながらも、これまでお世話になった人への感謝を是非伝えてほしいということです。
転職するということは今の会社に何かしらの不満があるはずです。ともすると今の会社が敵で新しい転職先が味方のように感じる人もいるかもしれません。
ただ今の会社の中でもやはりお世話になった人がいるかと思います。そういう人はきっと色々と察してくれて背中を押してくれます。是非そういう方には感謝を伝え今後もお付き合いを続けてみてください。
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