ここでは30代転職での職務経歴書の書き方について解説します。
私は実際に39歳で未経験転職をしました。業界も職種も変えましたが書類で自分をうまくアピールできたこともあり結果として未経験にも関わらず年収アップ、残業減に成功することができました。
転職での最大の関門は書類です。
中途採用の場合は企業側が求めている人材もピンポイントなので高い確率で書類で落とされます。未経験であれば尚更です。
私の場合は20社ほど書類選考をうけましたが書類通過したのは3社でした。そのうち2社から内定を頂いたので、書類さえ通れば勝率は悪くなかったです。
転職活動でのメインは面接ですが、まずは面接に繋げるために紙面上でできる限り自分をアピールが必要です。
ただ履歴書や職務経歴書では自分の強みをただ羅列しても企業には届きません。
自分を採用するべき理由を魅力的に伝えて「この人には会ってみたい」と人事に思わせるテクニックが必要です。
ここでは30代からの転職で成功をするための職務経歴書の書き方を具体的に解説していきます。
是非最後まで読んで参考にしてみてください。
職務経歴書は転職活動の最重要課題
職務経歴書は転職活動における最重要課題です。
職務経歴書がうまく書けていれは書類も通りやすくなり、面接でも職務経歴書に書いた内容を話すことでスムーズに進みます。逆に職務経歴書がちゃんと練られていないと後で苦しむことになりますので、時間をかけて戦略的に取り組むことをおすすめします。
まず理解しておきたいのは転職履歴書の意味です。
職務経歴書は、単にあなたの職歴を書く紙ではありません。
職務履歴書は企業に「わたしこそあなたの求めている人材です」ということを証明するために作成する資料です。
未経験の場合でも経験者を差し置いてでも採用したくなるようアピールする必要があります。
まずはこの点を意識して、自分の書いた経歴書が企業のニーズに合っているかを常に考えながら取り組んでみてください。
職務経歴書を書くための準備
職務経歴書は企業のニーズに合った自分の強みをアピールする場です。
そのため実際に職務経歴書を書き始める前に「企業のニーズ」と「自分の強み」の確認と両者を「マッチング」する作業が必要です。
まずは3つのステップで職務経歴書を書く準備をしましょう。
職務経歴書でアピールできる自分の強みを深掘りします。
これまでの仕事を振り返り、特に印象に残っているエピソード、自分の強みが発揮された経験を書き出しましょう。
詳しい自己分析の方法やポータブルスキルについては「30代転職を成功させる「自己分析のやり方」~ワークシート付き~」を参照ください。
最終的にはアピールできる強みとそれを支えるエピソードを最低3つは準備しましょう。
次に企業のニーズ、企業が今回の求人でどのような人材を求めているのかを調べます。
まずは求人票を丁寧に読み込みます。求人要領には明確にどんな人材が欲しいかが書かれていますのでこの要望に応えることが最重要です。
また新卒の採用ページ、社長のインタビュー、口コミサイトなどで現在企業が抱えている課題や向かおうとしている方向性を確認できすると更に理解が深まります。
企業研究の詳細については「30代転職を成功させる「企業研究のやり方」」を参照ください。
企業研究で「この会社はこんな方向性で成長しようとしていて、そのために採用部署はこういった人材を求めている。具体的にはこんなスキルや経験をもった人にこんな感じで活躍してほしいと期待している」と解像度高くイメージできるとよいです。
*応募企業が明確になっていない場合は、気になる企業の求人をいくつかみて、それらに共通する要求を考えてみてください。例えば多くの企業が論理的思考を求めているとか、歓迎スキルとしてマネジメントスキルをあげているなど。
最後に自分の強みと企業のニーズをマッチングします。
企業のニーズと自分の強みをがすでに合っている場合はよいですが、ずれている場合は訴求するスキルを変えるか、言葉を変えてより刺さるように修正します。
例えばあなたの強みが「粘り強さ」で企業側は「論理的思考」を求めている場合、自分の粘り強さを別の角度からみると粘り強く時間をかけながら試行錯誤を繰り返していることに気づくかもしれません。
であれば、当初の「粘り強さ」のままアピールするより論理的思考により近い「試行力」をアピールした方が先方には響きます。もしくはそのまま論理的思考をアピールして、試行力や粘り強さ、完結力に繋げていくこともできます。
ポイントはできるだけ企業のニーズに合うように自分のアピールポイントや伝え方を変えることです。
3つのステップで自分の強みと企業のニーズがマッチングできたら後は職務経歴書に落とし込むだけです。
職務履歴書を書く際の4つのポイント
職務経歴書で企業のニーズに合った強みをアピールするポイントは4つあります。
①3つの強みエピソードを記載する
②強みは再現性があり新しい職場でも使えることをアピール
③数字や具体例を適切に入れて論理的にまとめる
④誰が読んでもわかるように、わかりやすく書く
①3つの強みエピソードを記載する
まずはメインとなる強みとエピソードを用意します。
あなたの強みの中で一番企業のニーズにあっている強みを最大限アピールします。
エピソードは多少ライブ感を入れてストーリー風に乗り込んでみてください。
加えて異なる強みとエピソードをあと2つ盛り込んでおきましょう。通常企業のニーズは複数あるのでそれらのニーズを複合的にカバーするためです。また仮にメインに据えた強みが空振りだったときの保険にもなります。
メインとサブの強弱は人によって適切度が違いますので、自分はスペシャリストというよりジェネラリストという方は3つの強みの総合力でアピールするのもありです。
書き終えたらちゃんと企業研究で確認した企業のニーズに応えているかを確認してください。
②強みは再現性があり新しい職場でも使えることをアピール
強みは企業のニーズを満たしていることと同時に再現性があることが重要です。
前職や前の業界でないと活かせない強みだと魅力が半減します。
エピソードを記載する際には「これならうちでも同じ成果がだせそうだ」と感じてもらえるように意識しましょう。
どのように新しい企業に貢献できるのか明確に記載するのもおすすめです。
③実績は数字や具体例入れて定量的にまとめる
実績は定量的に提示しましょう。
売上金額〇〇億円、目標売上達成率〇〇%、前年比+〇〇%など明確な数字が入ることで伝わりやすく説得力もあがります。
定量化が難しい場合でも、業務時間○時間削減、新システムの導入などあなたが仕事をしたことで具体的にどのような成果があったかをわかりやすく記載しましょう。
④誰が読んでもわかるように、わかりやすく書く
人事の方は忙しい中多くの職務経歴書に目を通します。
見やすく、わかりやすい書類を心がけましょう。
こつは説明、箇条書き、語りを上手に入れ込むことです。
業務内容は簡単に説明をして、担当範囲、実績は箇条書き、エピソードは語りにすることで書類に緩急がつき読みやすくなります。強調したい箇所は目立つような工夫もしましょう。
業界用語は避け、エピソードは数字や具体例を入れて誰がみてもわかりやすい書類に仕上げましょう。
全体的に筋が通っていて論理的かつ完結にまとめると印象がよくなります。
職務履歴書のフォーマット
職務履歴書のフォーマットはいくつかありますが、個人的に使いやすいのは「逆編年体形式」のフォーマットです。
逆編年体形式は「現在から過去にさかのぼる格好で、新しいものから順に職務経歴を記載する方法で最も一般的なフォーマットなので人事担当者としてもみやすいです。特別な理由がなければ逆編年体形式フォーマットを使っておけば間違いです。
フォーマットは転職サイトdodaからダウンロードできます。
職務経歴書の各項目の書き方
それでは職務経歴書の各項目の書き方をみていきましょう。
各項目は決まりがあるわけではないので、書きにくいようであれば項目も修正してもかまいません。
職務要約
これまでの職歴や自己PRをを100文字程度に分かりやすくまとめます。面接でのはじめの自己紹介のようなイメージです。基本情報とともに「自分といえばこれっ」というようなポイントを相手に伝えます。
株式会社ABC入社後、インテリア商材の法人営業に従事。BtoBでの代理店経由の再販、エンド顧客への直販を経験。2名の部下をマネジメントしながらプレイングマネージャーとして過去2年間目標数値を120%達成。新規市場開拓により新しい販路も確保。2019年からは商品企画へ参画。輸入、マーケティング、ブランディング業務にも加わり幅広い経験があります。特にマーケティングにおいては客先のセグメンテーション、ターゲティングを行うことで利益率改善に貢献しました。
職務経歴
職務経歴書のメインパートです。
これまでの職歴を記載しながら、目一杯自分の強みやこれまでの経験をアピールしましょう。
様々なフォーマットがありますが、職務内容と実績、取り組み事例などを分けて書くと読み手にもみやすくおすすめです。
業務内容
業務内容は、これまでの仕事の内容を5W1Hを意識して完結にかつ具体的に書きます。誰が読んでも何をしてきた人なのかわかるように心がけましょう。
実績
実績は数字や具体的な成果を記載し、誰がみても「これはすごい!」と目を引く実績を記載しましょう。同時にただの自慢にならないように、実績につながった自分の強みが新しい会社でも活かせるということをアピールできるようにしましょう。
取り組みの事例
アピールしたい強みについてはそれを裏付けるストーリーを取り組みの事例して記載します。どういった課題があり、どのように乗り越えたのか。特に難しかった点や自分の強みを活かしたポイントを少しライブ感をもって伝えます。
職務経歴書は全体的にはクールに論理的に展開すべきですが、取り組みの事例に少し熱を入れることで目を引き、書類が生きて企業に届きます。
期間 | 業務内容 |
20xx年xx月 ~ 現在 | 法人営業二課一係 係長 関東エリアの法人営業及び代理店支援、新規代理店開拓業務。部下2名のマネジメント。 営業スタイル:代理店経由営業 30%、直販法人営業70% 担当地域 :関東地区全体 取引顧客 :各地代理店、地元インテリアデザイナー、ハウスメーカー 実績 :20xx年度:係売上 5億円 達成率:130% 20xx年度:係売上 4億円 達成率:120% 関東地区での新規代理店3店新規契約 マーケティング部門、製造部門と共同での商品企画 【取り組み事例】 営業係長として係の売上管理を行いながらプレイングマネージャーとして売上目標を120%達成しました。さらなる売上増のためには新商品開発が必須と感じたため、企画を立ち上げ関係各所に働きかけ商品企画を推進しました。結果的には既存製品の抱き合わせ販売、サブスクリプションビジネスの導入により新しい商品開発に至りました。販売間もないですが、すでに10社以上のお客様への採用が決まっています。 商品企画を通じてマーケティング業務に興味を持ち、より多くのお客様に効果的に商品を届けるための仕掛け作りに今後従事したいと考えています。 |
自己PR、活かせるスキル、資格など
職務経歴書の下の部分はある程度自由に設定できます。
アピールしたいスキルや特性、資格などを描きます。
おすすめは「活かせるスキル」の明記です。
事前に企業のニーズとマッチングした自分の強みを記載して、企業側に求めている人材であることをアピールしましょう。新しい職場で活かせるスキルであること、強みを証明するファクトがあることを明記しましょう。
強みは3つほどそれぞれ3~5行くらい記載するのが適切です。
資格は取得年度を記載しましょう。資格をもっていても新しい職場で全く使えなさそうな資格はアピールにならないので書かない方がよいでしょう。自己PRも追加で必要があればここに記載します。
■活かせる経験・知識・技術
<マネジメントスキル>
メンバーの性格や得意分野を理解し、それぞれ力が最大限発揮されるようサポートします。
どんなメンバーでも自信をもって業務にあたれるように基本となるマニュアル化やメンタル強化、チームワークを大切にチームで目標達成をする手法をとって実績を残してきました。
<信頼構築力>
社外ではお客様や関連業社と、社内では別部署とのコミュニーケーションを密にとりながら信頼を構築していきます。相手の立場をまず考え、課題解決を一緒に行うことを意識した結果「また〇〇さんにお願いしたい」「〇〇さんが言うならやってみるか」と声をかけていただくに至りました。
<試行力と完結力>
常にもっとよいやり方、新しい方法ははないかと試行しながら取り組んでいます。直近では売上を増やすために時間対売上の顧客セグメンテーションを行い営業の効率化と新規顧客へのリーチ促進を行いました。初めはメンバーへの伝達方法も悪く顧客クレームに繋がったこともありましたが、成果をだすまで試行錯誤を繰り返し結果として売上達成率130%を実現しました。
■資格
・普通自動車免許(19xx年xx月)
・インテリアコーディネーター(20xx年xx月)
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